人工知能の変遷
近年、急激に話題に上がるようになった人工知能でありますが、人工知能ブームが到来したのは今回が初めてではありません。過去を振り返ると、人工知能の研究は何十年も前から行われており、研究が活発になったり不活発になったりを繰り返してきています。今回の人工知能ブームは実に大きいものですが、こうしたブームは今回が3回目になります。そのため、今回も一過性のブームにすぎないのではと疑う人もいるのではないでしょうか。しかし、今回のブームには、これまでと比べて大きな違いがあります。それは、ディープラーニング(深層学習)です。これまで人工知能分野で研究されてきた技術では、いずれも人間が機械に対してあらかじめ特徴量を入力する必要があり、機械自らが新しい概念を理解することはできませんでした。ディープラーニングが、これまでの技術では成しえなかった「機械自らが与えられたデータの中から特徴量を見つけ出し、学習する」を実現したことにより、人工知能実現への大きな可能性を見いだしたと言えます。
ディープラーニングの登場により、少なくとも画像認識や音声認識の分野では、機械が入力データから「何を特徴量とすべきか」を自分で獲得できるようになりました。記号を単なる記号表記としてしか扱ってこられなかった機械が、その概念を獲得できるようになったのです。
Javaライブラリ(Deeplearning4j)の活用
世界中で多くのディープラーニングのライブラリが開発されています。2015年11月にはGoogleによって開発された機械学習、及びディープラーニングのライブラリであるTensorFlowがオープンソースプロジェクトとなり話題を呼びました。
ライブラリの開発が進められているプログラミング言語を見ると、世の中に公開されているライブラリの多くはPythonで開発されている、あるいはPython APIを提供しているものが多く見受けられます。TensorFlowもバックエンドではC++で開発されていますが、Python APIが提供されている為、Pythonで開発することが可能となっています。
Javaベースのライブラリには何があるかというと、実は活発に開発されているものはないのが現状と思われます(あるのかもしれないですが)。しかし、唯一、実用的に使えるライブラリがあります。それがDeeplearning4j(DL4J)です。このライブラリもオープンソースであり、Skymind社により開発が進められ、ソースコードは全てGitHubに公開されています。
今後の活動
Deeplearning4jは、 アダム・ギブソンの率いるサンフランシスコの機械学習グループによって主に開発されたオープンソースのプロジェクトであり、数多くの商業的、学術的アプリケーションに使用されています。
アイ・テクノロジーソリューションズは、今までに培ってきたJava、或いはWebに関する技術力や開発経験を十分に活用し、このJavaライブラリであるDeeplearning4jを利用した人工知能開発への取り組みを継続していく所存です。